近年、発達障害や自閉症を持つ子どもたちのための支援が注目されています。
その中でも、カームダウンスペースは、子どもたちが落ち着きを取り戻し、感覚過負荷を和らげるための重要な役割を果たしています。
この記事では、カームダウンスペースが何であるか、そして家庭で手作りする方法についてまとめます。
また、カームダウンスペースとよく似たクールダウンスペースとの違いについても解説します。
カームダウンスペースとは?クールダウンスペースとの違い
カームダウンスペース
カームダウンスペースは、発達障害や自閉症を持つ子どもたちが過剰な刺激から離れて落ち着ける場所です。
この安全な空間は、感覚過負荷を経験している子どもたちにとって、心を落ち着けるための避難所となります。
間違ったカームダウンスペースの使い方
カームダウンスペースは子供が落ち着くための場所ですが、間違った使い方をすると効果が薄れることがあります。
以下は、避けるべき一般的な間違った使い方です。
- 罰として使用する
カームダウンスペースを罰として使うと、子供はその場所をネガティブなものと結びつけ、避けるようになる可能性があります。 - 強制する
子供をカームダウンスペースに強制的に入れることは、その場所の安心感を損なうことになります。 - 適切な指導がない
子供が自分で落ち着く方法を学ぶことが重要です。
指導なしにただそこにいるだけでは、自己調整のスキルが身につきません。 - 過度に隔離する
スペースがあまりにも孤立していると、子供が孤独感を感じることがあります。 - 活動の選択肢がない
落ち着くためのアクティビティやアイテムがないと、子供は退屈してしまうかもしれません。
カームダウンスペースは、子供が感情をコントロールし、自己調整する方法を学ぶためのサポートとして機能するべきです。
子供が安心して利用できるように、ポジティブな環境を提供することが大切です。
また、子供がスペースを自分の意志で利用できるようにすることも重要です。
カームダウンスペースとクールダウンスペースの違いは?
カームダウンスペースとクールダウンスペースは、どちらも個人の心身の安定を助けるために設計されていますが、その目的と機能には重要な違いがあります。
カームダウンスペース
カームダウンスペースは、特に感覚過敏や発達障害を持つ人々にとって、外部の刺激から保護し、感情的な落ち着きを取り戻すための静かな環境を提供します。
この空間は、過度の感覚入力やストレスから一時的に離れることで、心の平穏を保つのに役立ちます。
例えば、柔らかい照明、静かな音楽、快適な座席などが配置され、安心感を与えるアイテムが含まれることが多いです。
クールダウンスペース
クールダウンスペースは、身体的な活動後にリラックスし、心拍数や体温を徐々に通常の状態に戻すために使用されます。
スポーツや激しい運動の後に利用されることが多く、ストレッチマットや冷水シャワーなど、身体を冷ますための設備が整っていることが一般的です。
カームダウンスペースは感情的な安定を目的とし、クールダウンスペースは身体的な回復を目的としています。
どちらも日常生活において重要な役割を果たし、心身の健康を支えるための重要な要素です。
手作りのカームダウンスペース
市販の製品もありますが、家庭で手作りすることも可能です。
手作りのスペースは、子どもの好みや必要に応じてカスタマイズできるため、より効果的な場合があります。
手作りカームダウンスペースの作り方
大きな段ボールでも作成できます。
- 静かな場所を選ぶ
騒がしいエリアを避け、落ち着ける環境を選びます。 - 快適な座席を提供する
クッションやビーンバッグチェアが理想的です。 - 落ち着くアイテムを含める
ぬいぐるみやストレスボールなど、子どもが落ち着けるアイテムを選びます。
中が暗い場合は、柔らかな照明を置いてもいいですね。
その際は、火傷や火事などにならない安全な照明を置いてあげて下さい。
カームダウンスペースは屋外にもある?
カームダウンスペースは屋外の空港や公共施設などで設置が進んでおり、2025年大阪・関西万博の会場でも設置される予定です。
中部国際空港セイントレアでも以下の様に設置されています。
他の空港や公共施設に設置されているか、また具体的な場所の詳細については、各公式情報へご確認ください。
まとめ
落ち着ける場所であれば、室内に置くタイプの子供一人入れるテントのようなものもありますよね。
カームダウンスペースは、発達障害や自閉症の子どもたちにとって重要な役割を果たします。
作るのが大変難しそうという方は、下記のように子供一人入れるスペースのものもありますので、参考に見てみて下さいね。